静岡大学農学部
応用生命科学科
応用光合成学研究室

研究内容
光合成って、面白い
我々が生きていくうえで、光合成は絶対に必要です。その重要性から、光合成研究分野には、光合成の真理を知るために、さらには光合成の人類貢献を実現するために、生物学、化学、物理学、農学、生態学、計算科学など、多岐に渡る学問分野が集結しています。そのため、光合成は究極の学際領域と言われています。そんな無差別級の学問領域で自身の力を発揮してみませんか?
研究室と企業の間を埋める研究
光合成を実用化するために何をすれば良いでしょうか?光合成を理解するための研究は400年以上も行われていますが、光合成について知れば知るほどわからないことが出てきます。最近では、企業により藻類工場の研究が進んでおり、実用化されています。しかし、長尾の視点からでは、大学や研究機関での光合成を知るための研究と、企業の光合成を利用する研究とでは、少し溝があるように感じています。長尾研究室では、この溝を埋めるための研究を実施します。つまり、光合成の分子レベルの基礎研究と企業視点での応用光合成研究を実施することで、「光合成の真理を探究する研究」と「藻類を利用する研究」の二つを進めます。
光捕集を理解するための3つの課題
長尾研究室では、光合成を駆動するために最も重要な初期過程である「光捕集」を調べています。光捕集を担う集光性色素タンパク質LHCに着目した3つのテーマを掲げています。
LHCの探索
自然界で一番優れたLHCを発見することを目的にします。様々な植物プランクトンを対象に、光合成の機能を植物生理学的手法で調べます。
LHCの機能構造評価
LHCの光捕集機構および立体構造の解明を目的にします。見た目の色の違いの分子レベルの評価を生化学・分光学・構造生物学的手法で調べます。
LHCの設計
自然界に存在しないLHCを設計することを目的にします。設計したLHCが生物の中でどのように機能するか、分子生物学・遺伝学的手法で調べます。
有機廃棄物を資源とする藻類バイオマス生産
長尾研究室では、「企業では手の届きにくそうな点」に目をつけ、藻類を商用利用するための研究を展開しています。特に、我々の生活で排出される有機的なゴミに着目し、それらを資源として再利用する藻類培養システムの開発を目指しています。
ただし、この研究は長尾が静岡大学に着任してから新たに立ち上げる内容です。このテーマを志望する学生はもとより、異分野の研究者、地域、企業との連携が成功のカギだと思っています。皆さんと共に進めていきますので、ご協力お願いします。

研究のキーワード
光合成、光捕集、藻類、進化、バイオレメディエーション、バイオリファイナリー、藻類バイオマス、
資源循環、応用微生物学、農芸化学、生物工学、水環境学、植物生理学、タンパク質科学、生化学、
分光学、構造生物学、遺伝学